2019年(平成31)年3月卒業生は、平成最後の卒業生、そして4月からは、平成最後の新卒社員となります。
平成最後の新卒採用は企業にとって満足のいくものだったのでしょうか?
「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」を見てみましょう。
内定者への満足度は?
この調査には 従業員規模50人未満の企業から 5,000人以上の企業まで、合計で 3,013社が回答されています。
内定者への満足度を聞いてみると、
- 質・量とも満足 27.5%
- 質は満足・量は不満 36.8%
- 質は不満・量は満足 14.5%
- 質・量とも不満 21.2%
でした。
質に満足している企業は 64.3%(27.5%+36.8%)、量に満足している企業は 42%(27.5%+14.5%)となりますので、量よりも質に満足している企業の方が多いようです。
売手市場と言われる中、目標としている採用人数を確保するのにかなり苦労している様子が伝わってきます。
そのような中、人数を確保するために企業はどのような工夫をしているのでしょうか?
選考日数・回数は短めに!
一次選考から内定までの選考回数を聞くと、平均選考回数は 2.7回と前年と同じ回数でした。
前年は選考回数3回が 39.0%で最も多く、次に選考回数2回が 34.9%で続いていました。
ところが、今年の選考回数では、2回が 37.2%、3回が 36.5%と、わずかな差ではありますが、2回が最も多くなりました。
また、一次選考から内々定までの平均日数は昨年が 31.3日、今年が 29.6日と、やはり選考にかかる日数も短くなっているようです。
採用人数を確保するために、選考回数・日数はさらに短くなっていくでしょう。
しかしながら、それでも採用人数を確保できていない企業が多いのはどうしてでしょうか?
就活生の辞退率は?
まず選考中の辞退率を質問すると、
- 前年より高かった 25.0%
- 前年並み 53.5%
- 前年より低かった 21.5%
と、なっています。
内々定後の辞退率は、
- 前年より高かった 34.0%
- 前年並み 41.6%
- 前年より低かった 24.4%
でした。
いづれも、昨年と大きくは変わっていません。
それでも採用人数を確保できていないということは、就活生が採用選考を受ける企業を絞り込む傾向が強くなっているのかもしれません。
2020年卒の採用スケジュールは?
それでは、2020年卒の採用スケジュールを企業はどのように考えているのでしょうか?
インターンシップで見ると、2019年卒については、前年の8月までに開始したのは 44.7%、2020年卒は 52.8%と少し開始を早める傾向があるようです。
エントリーの受付では、3月までに開始するのは、2019年卒で 86.1%、2020年卒で 89.8%と、やはり前倒しの傾向があります。
内々定を4月までに開始するのは、2019年卒が 36.2%、2020年卒では 47.7%ですので、かなり早まりそうな感じです。
2020年卒は、まだ経団連の就活ルールがありますが、それでも少し早まるようです。
就活生のみなさんは、情報に振り回されず、じっくりと自分に合う企業を探して下さい。
どのような企業に就職するか、よりも、就職した企業でどのような上司・先輩に出会い、成長していけるか、ということのほうが大切です。
ぜひ、多くの人に会うようにしてください。
そうすれば、きっと納得のいく就活になります。