経団連が定めている就活ルールの廃止が、2018(平成30)年10月10日付の日本経済新聞朝刊に「新卒一括採用 転機に 経団連 ルール廃止発表」という見出しで報道されました。
以前のブログで、経団連の中西宏明会長が就活ルールの廃止を言及したこと、それに対して、日本商工会議所の三村明夫会頭が就活ルール廃止に反対していることを取り上げました。
なぜ、経団連の中西宏明会長と日本商工会議所の三村明夫会頭の意見が正反対なのでしょうか?
経団連は大企業中心、日本商工会議所は中小企業中心。
以前のブログでも書きましたが、経団連は、長年、日本を支えてきた大企業が中心となっている一般社団法人です。
会長や副会長の出身企業を見てみると、東レ、日立製作所、日本電信電話、日本生命、三菱UFJ銀行、三井物産、トヨタ自動車、新日鐵、東京ガス等々、みなさんもよく知っている大企業ばかりであることから、わかるでしょう。
それでは、日本商工会議所はどのような組織でしょうか?
日本商工会議所とは?
日本商工会議所は、全国515の商工会議所を会員とし、各地の商工会議所が「その地区内における商工業の総合的な発展を図り、兼ねて社会一般の福祉増進に資する」という目的を円滑に遂行できるよう全国の商工会議所を総合調整し、その意見を代表している団体ということです。
2015(平成27)年3月現在で、会員数が125万を数えているとのことです。
イメージとしては、世界的な大企業が主に会員となっているのが経団連、地域に密着した中小企業が主な会員となっているのが日本商工会議所というような感じです。
その違いが、就活ルール廃止に賛成するか、反対するか、という立場の違いとなって表れてきているのでしょう。
日本商工会議所の三村明夫会頭は、中小企業のためには、就活ルールが必要と考えられているようです。
本当にそうなのでしょうか?
就活ルールがなくても、中小企業は大丈夫!
就活ルールがないほうが、中小企業にとっては採用がやり易い、というのが私の考えです。
今年の就活ルールは、3月から説明会解禁、6月から選考開始、10月に内定というスケジュールでした。
このスケジュールで、中小企業はどのように採用活動を行っているのでしょうか?
今のスケジュールに対応するためには、まず大企業が選考開始する前に内定を出す一つのピークがあります。
そして、大企業の選考が進むにつれて辞退者が増えてきますので、あらためて大企業の選考が終わろうとしているくらいから、再び、採用活動を行うことになります。
つまり、大企業が始める前から採用を開始し、大企業が採用を終えても採用活動を継続しなければならず、ものすごい時間と労力を採用活動に使っているのです。
私の考えでは、就活ルールがなくなると、大企業の採用活動が早まると思います。その後で、ゆっくりと採用活動を中小企業は行えば、今よりもかける時間も労力も減ると思っています。
大手企業の求人数よりも、はるかに大手を希望している就活生の方が多いのですから、大手企業が終わってから採用活動をすればいいのです。
そうすると優秀な人材が取れないと思うかもしれませんが、肌感覚ではありますが、大企業の求人数よりも、優秀な就活生の数の方が多いと感じていますので、それほど心配することはないと考えます。
みなさんは、どう思われますか?
大切なのは、自分の頭で考えることです。
それができれば、ルールが変わろうと心配することはありません。
じっくりと、考える時間を持ちましょう。