以前のブログで、政府は女性が活躍できる社会を目指し、女性の職場における活躍を推進する女性活躍推進法を施行したこと、実際に女性の活躍推進に取組んでいる企業があることを取り上げました。
政府の目標は「2020年30%」!
政府は、女性活躍を推進するために、男女共同参画推進連携会議を設置しています。
男女共同参画推進連携会議では、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標を掲げています。
この目標は、閣議決定でもありますので、政府が正式に認めている目標でもあります。
この目標でいう、「指導的地位」とは、「議会議員」、「法人・団体等における課長相当職以上の者」、「専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者」と、2007(平成19)年に男女共同参画閣議にて決定されています。
2020年まで、あと2年しかありませんが、現在、指導的地位に占める女性の割合はどれくらいなのでしょうか?
帝国データバンクの調査結果を見てみましょう。
女性管理職割合は平均7.2%
帝国データバンクは、「女性登用に対する企業の意識調査(2018年)」を2018(平成30)年7月18日~7月31日に実施しました。
なお、この調査の有効回答企業数は 9,979社だったようです。
この調査結果によると、女性管理職割合は、平均で7.2%と、2017(平成29)年より 0.3ポイント増加したといいます。比較可能な2014(平成26)年以降で最も高くなっているようです。
とはいえ、従業員全体の女性割合が平均24.9%ですので、女性管理職割が平均7.2%というのは低すぎるといえます。
女性管理職割合が30%以上の企業は6.8%!
女性管理職割合をもう少し詳細に見ていきましょう。
女性管理職割合が、
- 30%以上の企業 6.8%
- 20%以上30%未満の企業 4.2%
- 10%以上20%未満の企業 7.3%
- 10%未満の企業 30.5%
- 0%(全員男性)の企業 48.4%
- わからない 2.9%
となっています。
政府の目標は、「2020年30%」ですので、この目標を現時点で達成している企業は6.8%しかないということになります。
逆に女性管理職割合が0%、つまり管理職全員が男性という企業が、48.4%と半数近くを占めています。
政府の掲げる目標を達成することは、多くの企業は難しい、というのが現実のようです。
女性の活用・登用の効果は?
企業としては、政府の方針だからと言って、何らかの良い効果がなければ、女性活躍を推進することはないでしょう。
現在、女性の活用・登用を進めている企業に効果を聞いてみると、
- 男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた 67.6%
- 女性の労働観が変化してきた 28.8%
- 多様な働き方が促進された 27.1%
- 従業員のモチベーションが上がった 25.6%
- 女性を登用したことで業務が円滑に進んだ 23.5%
という結果でした。
女性活躍を推進することによって、多くの良い効果が生まれるのです。
決して、政府に言われるから仕方なしに進めるようなことではないのです。
女性が活躍できるような社会づくり、それは、多くの人の幸せにつながることなのです。