2018(平成30)年6月22日の日本経済新聞朝刊に、「仕事「人並みで十分」 61%ー今年の新入社員、過去最高ー」という記事が掲載されました。
この記事は、平成30年度新入社員 1,644人を対象に公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が共同で行った、「働くことの意義」の意識調査結果の一部が取り上げられたものです。
調査結果から、平成30年度新入社員のどのようなことがわかるのでしょうか?
「働くことの意義」の意識調査とは?
この意識調査は、「入社時の経済環境などによって異なる毎年の新入社員の意識を把握し、企業の教育研修に活かしていただくこと」を目的に行っているようです。
発表されたニュースリリースによると、この新入社員の意識調査は、1969(昭和44)年度に実施して以来、なんと50回目を数えるといいます。
このような意識調査としては、日本で最も歴史あるものだそうです。
新入社員の働く目的は?
この「働くことの意義」意識調査によると、
- 楽しい生活をしたい(41.1%)
- 経済的に豊かになる(30.4%)
- 自分の能力をためす(10.0%)
- 社会に役立つ(8.8%)
の順でした。
「楽しい生活をしたい」は、平成12年度以降急増し、平成30年度も過去最高水準を維持しています。
「経済的に豊かになる」は、平成23年度を底に上昇傾向であり、平成30年度は過去最高を記録しています。
それに対して、「自分の能力をためす」は、長期的に右肩下がりの傾向が続いており、平成30年度は過去最低になりました。40年くらい前には、35%を超えたこともあったとは、今では考えられません。
「社会に役立つ」は平成25年度をピークに右肩下がりの傾向が続いています。
この意識調査結果では、多くの新入社員の、楽しく豊かに、今現在の生活を楽しみたい、という意識の強さが読み取れるのではないでしょうか。
学生時代から起業したり、社会貢献意欲が高いと報道されている今の若者のイメージとは、この意識調査結果は一致していないように感じられます。
新入社員の働き方は?
新入社員の就活が順調であったか、あるいは就職氷河期とまで言われたような厳しいものであったか、によって、「人並み以上に働きたいか」という質問に対する回答が大きく異なってきます。
平成25年度に「人並みで十分」という回答が、「人並み以上」を上回ってから、徐々にその差が広がる傾向があります。
平成30年度は「人並みで十分」が 61.6%、「人並み以上」が 31.3%で、調査開始以来最大の 30.3ポイントも差が開きました。
ほどほどに働き、楽しく暮らせればいい?
この「働くことの意義」という意識調査をみていると、「ほどほどに働いて、自分の時間も確保し、楽しく暮らせれば、それでいい」という意識が、全体としては強いのかな、という印象をもちます。
全体として、「働く」ということがネガティブにとらえられ、「働く」意欲の低さを感じます。
私は、他人の役に立つ行動をして、その対価を受け取ることが、「働く」ことであると考えています。
ですから、もっと「働く」ことを前向きにとらえて欲しいと思います。
その方が幸せになれるのではないでしょうか。
みなさんは、どのように思われますか?