2015(平成27)年12月に株式会社野村総合研究所が、「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に~601種の職業ごとに、コンピュータ技術による代替確率を試算~」という、研究結果を発表しました。
それ以前の2013年には、イギリスのオックスフォード大学のマイケル A. オズボーン氏とカール・ベネディクト・フレイ氏が、702種に分類したアメリカの職業の約半数が消滅し、全雇用者の47%が職を失う恐れがあるという予測を発表しました。
人工知能(AI)やロボットに代表されるコンピュータ技術により、労働者の半分が職を失うという恐ろしい調査結果です。
ところで、これらの研究結果が発表される前に、コンピュータによって仕事を失うことを予測した日本人を知っていますか?
その人こそ、以前のブログでも取り上げた新井紀子氏です。
新井紀子氏は『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)を2010(平成22)年に出版されています。
これはビジネス書?それともSF?
この著書が、それほど話題にならなかったのは、具体的な職種がほとんどあげられておらず、あまり危機感を持たない人が多かったからではないでしょうか。
以前のブログでは書きませんでしたが、この著書が出版されたとき、東京駅前の大型書店に、この著書がどこに置かれているのかを見に行ったそうです。
ビジネス書の棚をいくら探しても見つからず、何と置かれていたのは、SFのコーナーだったというのです。
この時点では、コンピュータに仕事が奪われるのは遠い未来、まるでドラえもんの世界のような感覚だったのかもしれません。
それを見た新井紀子氏は、著書の内容が、「近い将来に間違いなく起こる事実であることを1日でも早く伝えたい、わかってほしい。その日のために準備して欲しい」と思われたそうです。
その思いが、「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトの最初の動機であったと、語られていました。
この著書が出版されてから8年。まさしく隔世の感がします。
コンピュータが得意なことは?
コンピュータは暗記と計算とパターン認識を最も得意とするといいます。
これらの能力では、人はコンピュータに太刀打ちできません。
決められた枠の中で、過去の蓄積が活かせるような仕事については、コンピュータに取って代わられるでしょう。
それでは、人はどのような能力でコンピュータと戦えばよいのでしょうか。
その一つの解答が、新井紀子氏の講演を取り上げた以前のブログにあります。
私自身は、著作を読み、講演を聞き、新井紀子氏の主張に納得し、賛同しています。
みなさんも、ぜひ、新井紀子氏の著作を読んでください。
ただし、書かれている内容を鵜呑みにしないでください。
そして、自分の頭で考えてください。
そうすれば、幸せになれる道を歩んでいけます。