大卒よりも、高卒はもっと「全就職」時代!?

以前のブログで、大卒は希望すれば就職できる「全就職」時代へ、という記事を取り上げました。

記事には、「2018(平成30)年の春に卒業した大学生の2018(平成30)年4月1日時点の就職率(就職希望者に占める就職者の割合)が過去最高の98.0%」になったということが書かれていました。

それでは、高卒就職希望者の就職率はどれくらいでしょうか?

高卒就職希望者の就職内定率は 99.3%!!

厚生労働省が、2018(平成30)年3月に高校を卒業した生徒について、2018(平成30)年3月末現在の公共職業安定所(ハローワーク)求人における就職内定率をまとめています。

その結果をみると、就職内定率は 99.3%で、前年同期比 0.1ポイントの上昇になっていました。

大卒の98.0%よりもさらに高い率になっているのです。

大卒よりも、さらに「全就職」が進んでいるようです。

大卒については、以前のブログで、就職先を探している(求職者)1人に対して、人を求めている企業数(求人数)を表す求人倍率を取り上げました。

高卒就職希望者の求人倍率はどれくらいでしょうか?

高卒就職希望者の求人倍率は 2.53倍!!

厚生労働省の発表資料によると、2018(平成30)年3月に高校を卒業する就職希望者の求人倍率は 2.53倍で、前年同期比 0.3ポイントの上昇した。

やはり、就職内定率と同様に、高卒就職希望者のほうが高いようです。

この傾向はずっと続いているのでしょうか?

30年前の1988(昭和63)年3月末、20年前の1998(平成10)年3月末、10年前の2008(平成20)年3月末、今年 2018(平成30)年3月末の卒業生の求人倍率を見てみましょう。

大卒求人倍率高卒求人倍率
1988(昭和63)年3月卒2.48倍1.58倍
1998(平成10)年3月卒1.68倍1.88倍
2008(平成20)年3月卒2.14倍1.87倍
2018(平成30)年3月卒1.78倍2.53倍

大卒の求人倍率が高くなることもあれば、逆に高卒の求人倍率が高くなることもあるようです。

ところで、この30年間で大きく変わったことがあります。

みなさん、想像がつきますでしょうか?

高卒の求人数も求職者数も大幅に減少!!

30年前と比較してみましょう。

大卒高卒
求人数求職者数求人数求職者数
1988(昭和63)年3月卒655,700人264,600人787,832人499,305人
2018(平成30)年3月卒755,100人423,200人432,669人171,265人
増減数99,400人158,600人▲355,163人▲328,040人
増減率15.2%59.9%▲45.1%▲65.7%

大学卒業生への求人数は15%、求職者数はなんと60%も増加しているのです。

それに対して、高校卒業生への求人数は半減し、求職者数は3分の1にまで減少しているのです。

もちろん、人口が減っていることもあるのですが、それ以上に産業構造が大きく変わったことが考えられます。

この30年の間には、バブルの崩壊やリーマンショック、円高の時期もあり、多くの工場が海外へ移転しました。

また、パソコンも普及し、事務系の仕事も少人数でできるようになりました。

高校卒業生の多くが、これらの仕事を担ってきました。

逆に、いわゆるホワイトカラーといわれる仕事が増えたのです。

そして、それらの仕事につくために大学や専門学校に進学する高校生が増えたと考えられます。

これからもAIやIoTに代表されるように大きな変化が起きるでしょう。

人生は100年時代ともいわれるようになってきました。

そのような中で、あなたはどのような働き方を目指しますか?

一度、立ち止まって、幸せになれる道をじっくりと自分の頭で考えましょう。

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