今年の賃上げは20年ぶりの高さ!?

このところ続けて、以下のような話題を取り上げました。共通するテーマは労働の「量」と「質」です。

「量」は雇用者数、「質」は待遇にあたります。特に正社員と非正規社員の待遇格差に注目してきました。

※「雇用が増えることによって、みんなが幸せになれる?

所属倍増も夢ではない!?

正社員と非正規社員との格差は解消されていくのでしょうか?

非正規社員の格差問題は派遣社員にも表れている?!

今まで、あまり正社員の待遇については取り上げてきませんでしたが、どのようになっているのでしょうか?

20年ぶりの高い賃上げ!!

2018(平成30)年4月16日の日本経済新聞朝刊には「賃上げ 2.41%  20年ぶり高さ」という記事が掲載されていました。

賃上げ率としては、昨年を0.35ポイント上回り、3年ぶりに上昇。賃上げ額も 7,527円と20年ぶりに 7,500円を上回ったといいます。

特に人手不足と言われている陸運の賃上げ率 3.39%は、昨年より 1.55ポイント上昇と、全産業の中で最も伸びているといいます。金額も全産業の中で唯一、賃上げ額が1万を超えているようようです。

かつては30%を超える賃上げもありました!

出典は異なりますが、厚生労働省が公表している「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」によると、1956(昭和31)年以降で最も賃上げ率が高かったのは、1974(昭和49)年でした。

その時の賃上げ率はなんと 32.9%、賃上げ額は 28,981円ということです。賃上げ率・額ともにすごい数字です。

逆に最も賃上げ率が低かったのは、2003(平成15)年の 1.63%、その年の賃上げ額は 5,233円だったようです。

賃上げ率が 32.9%の年と 1.63%の年では、社会全体の雰囲気がかなり違うのではないでしょうか?

2000年代から、ずっと賃上げは抑えられてきました!

阪神大震災のあった1995(平成7)年に賃上げ率が 2.83%と初めて3%を下回りました。その当時は、阪神大震災の影響による一時的な現象かと思われましたが、この年を境に賃上げのトレンドは右肩下がりへと変わってしまいました。

2002(平成14)年には賃上げ率が 1.66%と初めて2%を下回ってしまいました。その後10年以上、賃上げ率が 2%を下回り続けました。

賃上げ率が再び 2%を超えたのは2014(平成26)年です。その年の賃上げ率は 2.19%、賃上げ額が 6,711円。第2次安倍内閣の時です。アベノミクスが始まっていました。

賛否はあろうかと思いますが、安倍内閣が求めたからこそ、ずっと続いてきた賃上げ抑制の流れが変わってきた、といえるでしょう。

その安倍内閣が目指しているのが「同一労働同一賃金」であり、正社員と非正規社員の待遇格差解消です。

安倍内閣が続こうが続くまいが、知恵を出し合って達成しなければなりません。

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