2023(令和5)年8月9日に、大手企業の夏季賞与平均額の集計結果を、経団連が公表しています。
原則として従業員500人以上、主要21業種大手241社を対象に調査を行い、平均額がわかる20業種161社の回答を集計したものです。
3年ぶりに90万円を超える!!
161社の総平均額は903,397円で、前年(826,240円)に比べると77,157円増えています。率にすると0.47%の増加になります。
3年前の2020年夏季賞与901,147円以来、3年ぶりに90万円を超えています。
3年ぶりに90万円超えたことはうれしいことなのですが、よく見ると喜べない人もかなりおられそうです。
非製造業は前年に比べて賞与は減額!
製造業の2023年夏季賞与の平均額は952,574円で、前年(829,126円)に比べると123,448円増えています。
それでは、非製造業はどうでしょうか?
非製造業の2023(令和5)年夏季賞与の平均額は777,293円で、前年(815,462円)に比べると38,169円減っています。
製造業は夏季賞与が前年よりも増えたものの、非製造業は減っているのです。
2022(令和4)年は製造業と非製造業では、製造業の方が13,662円多いのですが、率にすると1.65%の差ですので、それほど大きな差ではなかったのです。
それが2023年(令和5)年になると、製造業の方が175,281円、率にすると18.4%も多くなっているのです。製造業と非製造業で大きな差が生まれてしまったのです。
製造業と非製造業の差はなぜ生まれたのでしょうか?
コロナ禍からの回復は非製造業が遅れている?
大手企業の夏季賞与は3月、遅くとも4月には決まります。したがって、新型コロナ感染症が流行する直前に2020年の夏季賞与は決定されています。
2023(令和5)年夏季賞与を見ると、製造業893,015円と比較して、非製造業は931,919円と38,904年も高かったのです。
それが2023(令和5)年に製造業と非製造業で賞与額が逆転したのは、根拠は見いだせていませんが、コロナ禍の影響が製造業よりも非製造業の大きかったと言えるのではないでしょうか。
実感として、コロナ禍後、人不足のためランチ営業を辞めます等々の人不足情報が肌感覚で増えています。
だからと言って、人口は突然すぐには増えません。
政府の言動からは感じられませんが、物凄く厳しい選択を求められる時代になってきたのではないでしょうか。