2018年は20年ぶりに大幅に給与が引き上げられそう、と以前のブログで取り上げました。
また、企業が2018年に給与を引き上げた理由も以前のブログで取り上げました。
昨年に引き続き、2019年も給与や賞与は増えるのでしょうか?
帝国データバンクが、2019年度の賃金動向に関する企業の意識調査を行い、公表しています。
調査は、2019(平成31)年1月18日~31日の期間行われ、有効回答企業数は 9,856社でした。
2019年も給与は引き続き上がりそうです!!
帝国データバンクの調査では、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって給与(年収)が上がることを賃金改善と定義しています。定期昇給は含んでいません。
定期昇給とベースアップの違いが分かりにくいかもしれません。
給与制度は企業によって大きく違いますが、一人ひとりの給与を決める基準となる賃金(給与)表を多くの企業が持っています。
定期昇給とは、賃金(給与)表にしたがって、会社に1年勤めれば、あるいは1歳年齢を重ねることによって給与があがることをいいます。
ベースアップとは、その賃金(給与)表そのものを書き換えて給与(賃金)を上げることをいいます。反対に、賃金(給与)表を書き換えて給与(賃金)を下げることをベースダウンといいます。ベースダウンは社員の労働条件を下げることになりますので、日本ではまず実施されません。
言葉の定義を確認したところで、調査結果を見てみると、2019年度に正社員の賃金改善が「ある」と見込んでいる企業は 55.5%と、3年連続で5割を超えたようです。
一方、賃金改善が「ない」と回答した企業は 19.4%でした。
5割の企業で賃金改善が行われ、2割の企業では賃金改善が行われない、ということです。
賃金改善の内容はベースアップ?賞与(一時金)?
2019年度の正社員における賃金改善の具体的内容は、「ベースアップ」が 45.6%、「賞与(一時金)」は 30.3%でした。
5割弱の企業で給与(賃金)が上がり、3割の企業では賞与(一時金)が上がるようです。
企業にとっては、賃金改善は人件費の上昇につながりますが、なぜ2019年度も行う企業が多いのでしょうか?
賃金改善を行う理由は、
- 労働力の定着・確保 80.4%
- 自社の業績拡大 40.9%
- 同業他社の賃金動向 24.4%
- 最低賃金の改定 16.3%
- 消費税率引き上げ 10.9%
でした。
特に最近、日本の労働力減少がよく報道されますが、企業の賃金改善にも影響を与えているようです。
賃金改善によって懐が温かくなり、消費が増える。その結果、企業業績が向上する。企業業績が良くなれば、さらに賃金改善が行われる、というサイクルが回るようになれば、より多くの人が幸せを感じられるでしょう。