「就活ルール廃止」について、何度か取り上げました。
経団連の中西宏明会長の「就活ルール廃止」発言から始まった騒動ですが、政府主導で現行のスケジュールがしばらくの間は続くことで、とりあえず落ち着きを取り戻しつつあるようです。
就活生の不安解消を最優先したように思われますが、実際に大学のキャリアセンター等で就活を支援している人たちはどのように考えているのでしょうか?
採用活動の早期化は止まらない?!
大学の関係者は「採用活動の早期化は止まらない」との受け止め方が大勢、と2018(平成30)年10月30日の日本経済新聞朝刊で報じられました。
その記事の中では、就活がスタートする前、大学1年生や2年生向けの就活支援に大学が取組んでいると書かれていました。
具体的にどのような支援活動を行っているのでしょうか?
就職情報大手の株式会社ディスコが行った調査結果を見てみましょう。
調査概要は、
- 調査対象:全国の大学の就職・キャリア支援担当部署
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2018(平成30)年8月30日~9月22日
- 回答学校数:327校
とのことです。
4分の3以上の大学で1・2年生にキャリア支援実施!
キャリタスの調査によると、2021年以降卒業予定の現大学1・2年生にキャリア支援を
- 実施する 76.5%
- 実施しない 8.0%
- 未定 15.6%
でした。
実に4分の3以上の大学でキャリア支援を実施するというのです。
また、キャリア支援の実施形式を複数回答で質問すると、
- 正課(必須科目)として実施 34.4%
- 正課(選択科目)として実施 44.8%
- 正課以外の講座(ガイダンスなど)を実施 72.4%
という回答でした。
多くの大学で複数の形式で行われるようです。
それだけ多くの学生がなんらかのキャリア支援を受けられるのではないでしょうか。
キャリア支援の実施内容は?
それでは、どのようなキャリア支援が行われるのでしょうか?
1年生向け(2022年卒)のキャリア支援の実施内容は、
- 職業観の涵養(キャリア入門・キャリアデザイン等) 83.5%
- 社会人基礎力養成 39.9%
- 社会人(OB・OG含む)との接点 32.9%
- インターンシップ講座 29.6%
- 自己分析講座 26.7%
でした。
対して、2年生向け(2011年卒)のキャリア支援の内容は、
- 職業観の涵養(キャリア入門・キャリアデザイン等) 70.1%
- インターンシップ講座 47.7%
- 社会人(OB・OG含む)との接点 42.7%
- 社会人基礎力養成 39.8%
- 業界研究講座 38.2%
でした。
比較してみると、1年生向け(2022年卒)のキャリア支援は基本的・哲学的な内容が中心、2年生向け(2021年卒)はより具体的・実践的な内容が中心となるようです。
2年生から、就活を意識しているのでしょう。
キャリアについて考えるのはいいことでしょう。
しかし大学でないと学べないこともあります。
時間をしっかりとかけて、思いっきり学びましょう。
それが、幸せな大学生活につながります。