2018(平成30)年度の最低賃金は昨年と同様に大幅に引上げられそうです。
地域別最低賃金の改正手続きの流れについては、以前のブログで取り上げました。
各都道府県労働局に設置されているすべての地方最低賃金審議会が、2018(平成30)年度の地域別最低賃金の改定額の答申を現時点で終えています。
この答申に対して関係労使からの異議申出がなければ、答申内容で決定されます。
2018(平成30)年度の地域別最低賃金の答申は?
厚生労働省が答申内容をまとめ、公表しています。
公表された答申のまとめによると、地域別最低賃金の全国加重平均額は 874円となり、昨年度の 848円を 26円上回っています。
全国加重平均額 26円の引上げは、最低賃金額が時給のみで示されるようになった2002(平成14)年度以降で、最大の引上げ額になります。
なお、最低賃金については、中央最低賃金審議会の目安が公表された後、各地方の地方最低賃金審議会が審議・答申を行います。
2018(平成30)年度については、東北、中四国、九州を中心に中央最低賃金審議会の目安を超える引上げ額を答申した県が 23県もあり、昨年度の4県を大幅に上回りました。
最低賃金のこれまでの推移は??
ここ数年、最低賃金は大幅に引上げられるようになりました。
私が住んでいる兵庫県の最低賃金の推移を見てみましょう。
- 2003(平成15)年度 675円(前年 ±0円)
- 2004(平成16)年度 676円(前年 +1円)
- 2005(平成17)年度 679円(前年 +3円)
- 2006(平成18)年度 683円(前年 +4円)
- 2007(平成19)年度 697円(前年 +14円)
- 2008(平成20)年度 712円(前年 +15円)
- 2009(平成21)年度 721円(前年 +9円)
- 2010(平成22)年度 734円(前年 +13円)
- 2011(平成23)年度 739円(前年 +5円)
- 2012(平成24)年度 749円(前年 +10円)
- 2013(平成25)年度 761円(前年 +12円)
- 2014(平成26)年度 776円(前年 +15円)
- 2015(平成27)年度 794円(前年 +18円)
- 2016(平成28)年度 819円(前年 +25円)
- 2017(平成29)年度 844円(前年 +25円)
- 2018(平成30)年度答申 871円(前年 +27円)
2003(平成15)年度から2013(平成25)年度の10年間で 86円(761円-675円)、率にして 12.74%の引上げでした。
それに対して、2013(平成25)年度から2018(平成30)年度答申までの5年間で 110円(871円-761円)、率にして 14.45%も引上げられています。
最近5年間の方が、それ以前の10年間よりも引上げられているのです。
最低賃金引上げは政府の方針!
これは、以前のブログでも書きましたが、最低賃金の引上げは政府の方針なのです。
2017(平成29)年3月28日の働き方改革実現会議において決定した「働き方改革実行計画」の中で、「最低賃金については、平均3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が 1,000円になることを目指す」と、明記されています。
全国加重平均が1,000円を超えるまでは、毎年、最低賃金は 20円~30円引上げられることは経営者としては、覚悟しておかなければならないのです。
苦しいとは思いますが、みんなが幸せになるためには、越えなければならない壁なのです。