2018(平成30)年5月15日の日本経済新聞朝刊に、「新社会人の転職活動増」という記事が掲載されました。
記事によると、転職希望者が前年同月(4月の比較)よりも20.1%も増え、特に新たに登録した新社会人は前年同月(4月の比較)の2倍にもなったといいます。
この記事は、大手就職支援会社のパーソルキャリアの調査によるものです。
転職先を見つける方法については、以前のブログでも書いています。
その中でも、最も利用されているのが転職サイトです。
会員数が多い転職サイトは?
いろいろな転職サイトがあります。
その中でも、会員数が多いのは、
- リクナビNEXT(会員数 700万人以上)
- エン転職(会員数 600万人以上)
- マイナビ転職(会員数 400万人以上)
- DODA(会員数 400万人以上)
になります。
ネットで探すと、これらの転職サイトを比較した広告等をよく見ます。
このブログでは、見方を変えて、これらの転職サイトを運営する企業のうち、マイナビ以外は上場企業ですので、公表されている決算や株価について比較してみます。
規模ではリクルートホールディングスが圧倒
リクナビNEXTを運営しているリクルートキャリア、DODAを運営しているパーソルキャリアについては、上場している持株会社(ホールディングカンパニー)の決算になります。
㈱リクルートホールディングス | エン・ジャパン㈱ | パーソルホールディングス㈱ | |
---|---|---|---|
売上高 | 2兆1,733億85百万円 | 407億10百万円 | 7,221億83百万円 |
営業利益 | 1,917億94百万円 | 96億31百万円 | 360億68百万円 |
経常利益 | 1,992億28百万円 | 97億36百万円 | 351億 8百万円 |
当期利益 | 1,516億67百万円 | 63億68百万円 | 77億69百万円 |
一株当たり利益 | 90.79円 | 139.96円 | 33.28円 |
自己資本比率 | 53.1% | 70.3% | 36.1% |
自己資本利益率(ROE) | 18.88% | 24.50% | 5.46% |
株価 (2018年5月25日終値) | 3,032円 | 5,850円 | 2,399円 |
見ていただくとわかるとおり、売上にしても、利益にしてもリクルートホールディングスが圧倒的に多いです。
規模では、リクルートホールディングスが頭一つ、二つは抜けているということになります。
株価は経営者の通信簿と言われることがありますが、株価(2018年5月25日終値)をみると、エン・ジャパンが最も高くなっています。
なぜ、エン・ジャパンの株価は高いのでしょうか?
効率よく稼いでいるのはエン・ジャパン
表の中に「自己資本利益率」があります。
自己資本利益率とは、株主が拠出した自己資本を用いて企業が株主のためにどれだけの利益を上げたかを測る指標です。
株主から見ると、自己資本利益率が高い企業は、「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる」ということになります。
一般的には10%~20%で優秀な企業と言われるようです。
表を見ていただくと、エン・ジャパンは優秀な企業と言われる水準を5ポイント近く上回っています。
逆に、パーソルキャリアは大きく下回り、リクルートホールディングスは、優秀な企業と言われる水準です。
3社の中で最もエン・ジャパンが効率的に稼いでいるということです。
3社とも、今後の経営計画も発表していますが、とても強気な経営目標数字になっています。
ということは、まだまだ人材サービス市場は大きくなると見込んでいるのでしょう。
みなさんも転職サイトに登録するときに、運営会社の経営目標や決算数字も目を通してみてください。
きっと、面白い発見があり、転職サイトを見る目が変わるはずです。