正確に教科書を読めない従業員を雇わないことが、企業の最高のリスクヘッジ!!

みなさんは、新井紀子氏を知っていますか?

今週の火曜日(2018年5月22日)に「JB Group IT Forum2018」というイベントが大阪のホテル阪急インターナショナルでありました。

そのForumで基調講演をされたのが、新井紀子氏です。

東京会場の基調講演は小泉純一郎元総理!!

「JB Group IT Forum2018」へのお誘いをいただいたときに、小泉純一郎元総理の基調講演を東京で聞きたいな、とまず最初に思いました。

その時は、お恥ずかしながら新井紀子氏のことを私は知りませんでした。

そのため、参加する気はありませんでした。

ところが、2018年4月1日にTBSで放送された「林修が驚く初耳学」で新井紀子氏が書かれた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)が取り上げられました。

そこで、初めて新井紀子氏のことを知り、「JB Group IT Forum2018」に参加することにしたのです。

東ロボくん(とうろぼくん)を知っていますか?

東京大学合格を目標に開発が進められた人工知能(AI)、それが「東ロボくん(とうろぼくん)」です。

2011年に国立情報学研究所(NII)が「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを開始しました。

人口知能(AI)の進化を客観的に測るための指標として大学入試問題を取り上げ、2016(平成28)年までにセンター試験で高得点を獲得し、2021(平成33)年春までに東大の入試を突破できる人工知能の開発を目指したプロジェクトです。

センター試験模試の結果は全国平均以上!!

2016(平成28)年にセンター試験模試「進研模試」(ベネッセ)を受けた結果は、5教科8科目の合計で525点となり、全国平均の454.8点を上回ったそうです。

ベネッセが算出している「合格可能性」が80%以上となるのは、国公立・私立を合わせて756大学2329学部6405学科のうち、535大学1373学部3046学科。これらの中には、関東の「MARCH」や関西の「関関同立」と総称される難関私立大学も含まれるといいます。

まさに驚きの結果ではないでしょうか。

このまま続ければ、本当に東大にでも入れそうな気がしてきます。

ただし、残念ながら2016(平成28)年11月14日に開催された成果発表会の席上で、新井紀子氏から、「センター試験を『人間と同じように』解く取り組みは凍結する」と発表されました。

「AIにとって難しい『意味を理解する』という分野を突き詰めようとすると、膨大な時間とコストがかかる」ため、「税金で運営される国立機関として「選択と集中」を行い、AIが得意なことを伸ばして産業応用への道を目指す」といいます。

「意味を理解する」とは?

Googleで「大阪市内の焼肉屋のお店を教えて」と検索すると、上位5位には、

  • 大阪 焼肉(焼き肉)人気ランキングTOP20(1-20位)[食べログ]
  • 大阪でコスパの高い人気焼肉店 11選[食べログまとめ]
  • <新規オープン>大阪市のおすすめ焼肉(焼き肉)[食べログ]
  • 大阪 焼肉 個室 おすすめのお店-Retty
  • 大阪で人気の焼肉店-Retty

と並びました。

今度は、「大阪市内の焼肉屋以外のお店を教えて」と検索すると、上位5位には、

  • <新規オープン>大阪市のおすすめ焼肉・ホルモン[食べログ]
  • 大阪でコスパの高い人気焼肉店 11選[食べログまとめ]
  • 大阪 焼肉(焼き肉)人気ランキングTOP20(1-20位)[食べログ]
  • 【大阪】焼肉天国の鶴橋でおすすめ焼肉店15軒
  • 大阪市西区の焼肉がおすすめグルメ人気店|ヒトサラ

と並びました。

「焼肉屋」と「焼肉屋以外」の区別(意味)がわからず、キーワードによって絞り込み、回答を導き出しているのです。

実は、人口知能(AI)も同じなのです。

今の人口知能(AI)では、人間と同じように意味を理解することはできないそうです。

人間の得意なことと、人工知能(AI)の強みとは補完し合うことができるのです。

意味が理解できない子どもが増えている!!

ところが問題は、人間が得意とする「意味を理解する」ことができない子どもたちが増えているということなのです。

それが「教科書が読めない子どもたち」だといいます。

人口知能(AI)と同じように、キーワードだけを拾うことしかしないため、意味が理解できないと考えられています。

その現実を踏まえた警告が、「正確に教科書を読めない従業員を雇わないことが、企業の最高のリスクヘッジ」という言葉です。

このままでは、人間と人口知能(AI)は共存できなくなってしまいます。

この問題は、どのようにして解決すればいいのでしょうか?

半年間もあれば大丈夫!?

小学校でプログラミング教育が行われます。

しかしながら、いくらプログラミングを学んだとしても、求められている意味が理解できなければ、要求を満たすプログラムなどできるわけがありません。

新井紀子氏は、「中学を卒業するまでに中学校の教科書を正確に読めるようにすること」が、義務教育の最大の目標だといわれました。

そしてまた、「半年間もあれば、正確に読めるようになる。それが、人間の素晴らしさ」であるともいわれました。

人工知能(AI)と共存するために、まずは、正確に教科書が読めるようにしましょう。

それが、幸せになるための第一歩なのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする