メガバンクからの転職者が増えている?!

2018(平成30)年5月13日の日本経済新聞朝刊に、「銀行員 高まる転職熱」という記事が掲載されました。

記事によると、大手転職支援会社であるパーソルキャリアに2017(平成29)年登録した銀行員は前年比で19%増と、全体が6%増にとどまっているのに比べ、大幅に増えているとのことです。

同業のリクルートキャリアにおいては、2017(平成29)年度で銀行員の登録者は33%増と、全体の28%増に比べ、登録者数の伸びが目立つようです。

今まで、銀行員で登録する人が少なかったために大幅に伸びているように見えるところもあるとは思います。

とはいえ、大幅に伸びているのには、やはり大きな環境変化が起こっていると考えるべきではないでしょうか。

メガバンクの新卒採用者数は減少!!

2018(平成30)年4月23日の日本経済新聞朝刊に2019(平成31)年春入社の採用計画が掲載されていました。

その記事によると、主要企業の大卒採用の計画は合計で今春実績に比べて8.5%増、9年続けて増えており、伸び率も4年ぶりに上昇したとのことです。

特に製造業は、あらゆるものがネットにつながる「IOT」の広がり、AIやロボットを活用した自動化推進の動きもあり、今春実績より10%増と大幅に増える見込みです。

そのような中で、業種別にみると、銀行業は今春実績より14.4%も大幅に減少したというのです。

2019(平成31)年春入社の大卒採用計画の上位30社に入っている、みずほフィナンシャルグループについて見てみると、2018(平成30)年春入社実績 1,365人が2019(平成31)年春採用予定 700人と半数近くまで大幅に減少しています。

同じく上位30社に入っている三井住友銀行では、2018(平成30)年春入社実績 803人が2019(平成31)年春採用予定 650人と約20%の減少となっています。

明らかにメガバンクは採用を絞り込もうとしているのがわかります。

メガバンクの構造改革は人減らし!?

2017(平成29)年10月29日の日本経済新聞朝刊には、「メガ銀 大リストラ時代」という記事が掲載されていました。

記事によると、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の合計で、デジタル技術による効率化などで単純合算で 3.2万人分の業務量を減らすというのです。

基本的には採用を抑えて、退職者についても補充するというよりは異動によってまかない、業務量と職員数を調整していくでしょう。

業務量が減少すれば、その仕事をしていた人は何をするのでしょうか?

一番の問題は、新たに儲けるためにどのような事業を行い、減少する業務に携わっていた人たちに、どのような仕事をしてもらうのか、という姿が見えないことなのです。

構造改革(リストラクチャリング)は単なる人減らしではなく、将来の儲ける姿を描くことのはずです。

それができていないというのが、メガバンクからの転職者が増えている理由なのです。

未来の姿を描くこと、それが最も大切な経営者の職務なのです。

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